国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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開発調査センター所長挨拶

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 開発調査センターでは、水産基本法の基本理念である「水産物の安定供給の確保」及び「水産業の健全な発展」に貢献するため、未利用の資源・ 漁場の開発や新たな漁業生産方式の企業化などを目的として、漁業の現場で試験的な操業や販売を行う実証調査を実施しています。
 近年の不安定な世界情勢を踏まえても、我が国の食料生産自給率を向上させることは重要で、水産物自給率向上のためにも我が国の漁業・養殖業は一層重要性を増しています。また、近年ではこれまでにない気候変動に伴うと考えられる漁獲対象資源の変動や漁場の大きな変化により未曽有の不漁に見舞われている漁業もあります。このように漁業・養殖業は大きな転機を迎えており、令和2年12月に施行された改正漁業法に基づいて漁業は大きく転換することが求められています。
 そのためには、未だ十分に利用されていない資源・漁場の開発とともに、資源管理施策に基づいた漁船漁業の持続的な生産システムや最新の技術を活用した省エネ・低コスト・高収益型の漁業生産システムの改良・開発、新たな養殖技術の実用化に向けた実証事業の促進などが必要です。また、資源の増減や漁場の変化に対応できる柔軟な漁業体制の構築が求められます。こうした課題の解決に向けて、私たち開発調査センターでは、職員自らが漁業現場で実証的な試験を行う開発調査事業を実施しています。最近では、遠洋・沖合から沿岸の漁業において、多様なデータ、最新のICT技術やロボット技術等を活用した効率的な操業方式の開発や、生産から流通までを包括して漁獲物の価値を高めるための生産技術の開発などを行っています。また、水産業界との連携の下に、新たな養殖技術の展開なども含め、水産研究・教育機構の研究開発成果の最大化と社会実装を推進しています。
 水産物の安定供給と水産業の持続的発展のため、開発調査センターでは、様々な水産業の現場ニーズに対応して今後とも精力的に業務を進めてまいります。

 

令和5年4月1日

                                   開発調査センター所長

 山下 秀幸

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