国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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さんま漁船によるアカイカ釣り兼業の実証試験実施

  • 大型さんま漁船をいか釣り兼業漁船に改造し、北太平洋でアカイカ釣り漁業を実施します。
  • サンマ漁期外のアカイカ釣り兼業によるさんま漁船の稼働率の向上を検証します。
  • さんま漁船のアカイカ釣り兼業による複合漁業化の漁業経営への効果を評価します。

概要

 我が国のサンマ水揚げ量は平成20年の約30万トンから令和5年には2万5千トン弱へと著しく減少しています。その要因はサンマ資源の減少および回遊経路の変化に伴う漁場の遠隔化です。漁場が遠隔化するなかで我が国のさんま漁業の主力である大型さんま漁船は、主に公海域で操業し漁獲量確保に努めていますが、燃油価格の高止まりによる燃油経費増加や乗組員不足により出港できないなど、収益の確保が困難となっています。そこで、大型さんま漁船を運用する漁業経営体から、サンマ漁期以外に他漁業を兼業し、年間漁船稼働率を向上することで収益を改善することが求められています。一方、近年はスルメイカの漁獲量も著しく減少しており、さらに、国際的にいか類の価格が高騰しています。そのため、スルメイカ加工品の代替原料としてアカイカの原料価値が向上するとともに高単価が期待できる生食向けの需要が拡大しています。漁灯により集魚するいか釣り漁船の操業形態は大型さんま漁業と共通性があり、サンマ漁期である8月から12月以外の兼業対象(4月から7月)としてアカイカ釣り漁業が適する可能性があります。

 そこで、水産庁委託事業「不漁に対応した操業体制緊急構築実証事業」において、当機構開発調査センターが大型さんま漁船をいか釣り兼業漁船へ改造し、北太平洋でアカイカ釣り漁業を実施し、その効果について検証します。

 

実証試験期間   :令和7年2月21日~令和7年3月13日

          令和7年5月中旬~7月中旬

出港場所     :宮城県気仙沼市朝日埠頭

出港日時     :令和7年2月21日 12時予定

お問い合わせ先

国立研究開発法人 水産研究・教育機構 開発調査センター
開発業務課 TEL:045-277-0184