国立研究開発法人 水産研究・教育機構

お問い合わせ

2011(H23). 8.16 被災したサケふ化場復旧のための井戸能力パイロット調査(報告) ~来春の放流をめざして!~

平成23年8月16日
独立行政法人水産総合研究センター

 

被災したサケふ化場復旧のための井戸能力パイロット調査(報告)
~来春の放流をめざして!~

 

 独立行政法人水産総合研究センターでは、岩手・宮城両県からの要請に基づき、東日本大震災で被災した両県の全てのふ化場の現地実態調査を実施し、被害状況の把握に努めてきました。これらの調査を通じて、施設の復旧に当たっては、ふ化用水となる井戸の揚水可能量や水質を早急に把握する必要があることが明らかとなりました。この井戸能力調査は専門業者が実施しますが、調査方法や調査項目の選定を行うためには、ふ化放流事業に関する専門的な技術と知識が不可欠です。

 このため独立行政法人水産総合研究センターは、事前に両県と協議して決定した4ケ所のふ化場で、井戸能力パイロット調査を6月20日~7月4日にかけて実施しました。その結果、岩手県の下安家ふ化場と気仙ふ化場では、揚水量は被災前の水準に回復可能であり、水質にも問題のないことが明らかとなりました。一方、宮城県の本吉ふ化場と南三陸町第二ふ化場では、塩分の混入が認められたため、引き続き詳細な調査が必要であると判断されました。

 これらの調査結果を取りまとめ、両県および岩手県増殖協会に報告しました。この報告書は両県が今後行う調査手法の策定や、両県のサケふ化放流事業計画案の作成および施設復旧に寄与するものと考えております。

 

参考(PDF:285KB)