水産海洋学会若手優秀講演賞(中央水産研究所 増島雅親)
増島研究員が、2014年度水産海洋学会若手優秀講演賞を受賞
情報公開日:2014年12月15日 (月曜日)
11月14日から17日に(独)水産総合研究センター中央水産研究所横浜庁舎で開催された水産海洋学会研究発表大会 において、当所、海洋・生態系研究センターの増島研究員が、2014年度若手優秀講演賞を受賞しました。
同賞は、研究発表大会を充実させることを目的として、優秀な講演を行ったと認められる若手講演者に授与されるもので、クロマグロの稚魚の分布と黒潮の関係を明らかにしたことが高く評価され、今回の受賞となりました。
受賞者
海洋・生態系研究センター モニタリング グループ 研究員 増島 雅親(ますじま まさちか)
受賞対象講演
『九州西方海域におけるマグロ属稚魚の分布環境 Ⅱ』
於:(独)水産総合研究センター中央水産研究所横浜庁舎
【受賞者のコメント】
南西諸島周辺で5-7月に生まれたクロマグロは、その後本州南岸や対馬海峡周辺で漁獲され、ヨコワなどと呼ばれています。本研究では、遊泳力を持ったクロマグロ稚魚が産卵場から本州南岸と対馬海峡へ分岐し移動する生態を解明する目的のもと、漁業調査船俊鷹丸(国際水産資源研究所)により6-7月に九州西方海域で表中層トロール曳網を約70点で展開しました。
その結果、2011年度以降の調査同様、継続してクロマグロ稚魚を多数採集することに成功し、また、稚魚の採集の有無がそれぞれ水温約26度より高温側と低温側の測点に対応することがわかりました。
さらに、南から流れてくる黒潮の強流帯と黒潮から北方へ派生する暖水波及において水温26度以上の水域が観測されていたことから、クロマグロ稚魚の分岐にはこの暖水波及が大きな要因の一つであることを示すことができました。
本受賞を今後の研究発展の原動力にするとともに、共著者および調査にご協力いただいた俊鷹丸船長および乗組員の皆様に大変感謝いたします。