ふ化放流事業のながれ
ここでは、日本において最も一般的なサケの場合を例に紹介します。
サケの人工ふ化放流工程図
- 捕獲
9月から12月にかけて産卵のために母川へ戻ってきた親魚を捕獲します。捕獲の方法は魚道式、ウライ式(河川を格子等で遮断しその一部に捕獲槽を設ける)が一般的ですが、補助的に曳網を用いることもあります。
- 蓄養
未成熟な親魚は、成熟して卵が採れるまでの期間、陸上蓄養池あるいは河川内生け簀等において蓄養します。
- 採卵・受精
成熟した雌から切開法により採卵します。これに雄の精子をかけて受精させます。
- 受精卵の収容
受精卵をふ化場へ運搬し、ふ化器に収容します。卵は、水温8℃(北海道の湧水の場合)前後の湧水の中で管理されます。 - 発眼・ふ化
受精卵は、水温8℃の場合、約30日で発眼し、約60日でふ化します。ふ化した仔魚は、養魚池でさらに約60日間安静な状態で管理されます。
- 浮上・飼育
仔魚は、養魚池でさいのうを吸収すると浮上遊泳し始めます。この時点から飼育池において乾燥配合飼料を与え、体長4~5cmを目標に飼育します。
- 放流
沿岸水温が5℃以上13℃以下の時期(北海道では3月から5月)に、河川へ直接あるいは輸送放流します。放流した稚魚は、数日から1ヵ月程度で海へ下ります。陸上に飼育池が整備されていない場合には、更に海中飼育を実施する場合もあります。