平成20年度調査結果概要
■事業一覧
1 海洋水産資源開発事業(資源対応型:いか釣(北太平洋中・西部海域及び熱帯太平洋東部海域)) |
2 海洋水産資源開発事業(資源対応型:海外まき網(熱帯太平洋海域及び熱帯インド洋海域)) |
3 海洋水産資源開発事業(資源対応型:遠洋かつお釣<太平洋中・西部海域>) |
4 海洋水産資源開発事業(資源対応型:遠洋まぐろはえなわ<太平洋中・東部海域>) |
5 海洋水産資源開発事業(資源対応型:北太平洋さんま<北太平洋中・西部海域>) |
6 海洋水産資源開発事業(システム対応型:単船型まき網<北部太平洋海域>) |
7 海洋水産資源開発事業(システム対応型:遠洋底びき網<全層トロール><北太平洋中・西部海域>) |
8 海洋水産資源開発事業(システム対応型:近海はえなわ<北太平洋西部海域>)(PDF:347KB) |
9 海洋水産資源開発事業(システム対応型:近海かつお釣<南西諸島海域及び九州西方海域)(PDF:234KB) |
■事業ごとの調査概要
1 資源対応型:いか釣?(北太平洋中・西部海域、ペルー海域)
調 査 船:第八白嶺丸(276トン) 調査期間:周年 調査海域:北太平洋中・西部海域、ペルー海域 |
本年度調査のねらい
1 ペルー沖のアメリカオオアカイカを対象とした単価向上への取り組み
2 北太平洋のアカイカを対象とした漁獲効率向上のための漁具の挙動制御手法の開発
本年度調査の主な成果等
|
いか釣(北太平洋中・西部海域)
調 査 船:第二吉丸(164トン) 調査期間:5月~7月 調査海域:北太平洋中・西部海域 |
本年度調査のねらい
1 昼間操業におけるLED水中灯を用いた効率的漁獲技術の開発
2 夜間操業にLED水中灯を導入することによる燃油消費量削減の可能性追求
本年度調査の主な成果等
1. | 前年度に実施した4色(白・青緑・緑・青)の比較調査で、漁獲効率が高かった青色LED水中灯を用いて昼間操業調査を行った。調査船近辺の一般漁船の漁獲実績と比較した結果、漁獲効率は通常のメタルハライド水中灯と同等であることを実証した。また、メタルハライド水中灯をLED水中灯に換えることで1航海あたり7.0klの燃油消費量削減効果が見込まれた。 |
左図は青色LED水中灯を用いた調査船とメタルハライド水中灯を用いた近隣当業船との製品比較 |
2. |
|
===============================================================================================
2 資源対応型:海外まき網(熱帯インド洋海域)
調 査 船:日本丸(744トン) 調査期間:周年 調査海域:熱帯インド洋海域 |
本年度調査のねらい
1 熱帯インド洋海域を広く調査し、漁場の効率的な利用方法を探求するとともに、漁場価値について調査する。
2 流れ物付き操業による若齢マグロ類漁獲を最小化する手法に関して調査する。
3 ブイライン操業法をはじめとする海外まき網漁業の新技術に関して、その効果を検証する。
本年度調査の主な成果等
|
3 資源対応型:遠洋かつお釣(太平洋中・西部海域)
調 査 船:第3協洋丸(499トン) 調査期間:周年 調査海域:太平洋中・西部海域 |
本年度調査のねらい
1 | 太平洋中・西部海域において、縁辺漁場の拡大及び未利用漁場の開発を行うとともに、高単価を期待されるトロカツオ及びビンナガを主対象とした周年操業の可能性について調査を行う。 |
2 | 衛星情報を活用した漁場探索技術の向上を図る。 |
3 | 低温活餌畜養装置の運転方法の適正化等による省エネルギー効果について定量的検証を行う。 |
4 | 製品の付加価値向上のため、トロカツオ・ビンナガ沖締め製品の試験生産を実施し、製品の特性を品質分析により明らかにするとともに、販路に関する調査を行う。また、脂肪含有量に応じた用途別販売の可能性を追求する。 |
本年度調査の主な成果等
=============================================================================================== |
4 資源対応型:遠洋まぐろはえなわ(太平洋中・東部海域)
調 査 船:開発丸(489トン) 調査期間:周年 調査海域:太平洋中・東部海域 |
本年度調査のねらい
1 | メバチの夜間生態を利用した浅縄操業に適した時期及び海域について調査するとともに、中立ブイ操業導入の可能性について調査する。 |
2 | 凍結製品の適正温度管理による省エネの可能性について調査する。 |
3 | トレーサビリティシステム導入に必要とされる生産履歴及び販売価格に及ぼす影響を調査する。 |
4 | 船上凍結製品の付加価値向上及び販路拡大について調査する。 |
本年度調査の主な成果等
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
=============================================================================================== |
5 資源対応型:北太平洋さんま漁業(北太平洋中・西部海域)
調 査 船:調査船:第六十三幸漁丸(199トン) 第一榮久丸(184トン) 調査期間:5月~7月 調査海域:北太平洋中・西部海域 |
本年度調査のねらい
1 | サンマ資源を対象とした現行漁期前における公海漁場の開発 |
2 | 製品生産方式の改善 |
3 | 輸出向け船上凍結製品の市場評価の把握 |
4 | 大型さんま棒受網漁船の経営改善の可能性検討 |
本年度調査の主な成果等
運搬船1隻を含む3隻体制で調査を行った。洋上転載に関しては、船間距離を取り、敷網(小型棒受網)を介して漁獲物を受け渡す方法で行い、問題なく実行可能であった。現在、転載した漁獲物のミール原料としての品質評価を行っているところである。 他方、本年度は魚群の北上が遅く、群れが薄かったことにより網船1隻当たり漁獲量は317トンにとどまった。今後は、公海漁場の形成状況が年により大きく異なることも踏まえ、当該漁場の開発可能性を更に検討していく。 =============================================================================================== |
6 システム対応型:単船型まき網)( 北部太平洋海域)
調 査 船:調査船:北勝丸(300トン) 調査期間:周年 調査海域:北部太平洋海域 |
本年度調査のねらい
本年度調査の主な成果等
1. |
単船型まき網操業システムに関する習熟が進み、平成20年度の水揚金額は想定採算ラインを超えた。 |
|
2. |
沈子処理機に関しては、沈子方網地の収容作業において省人化が図られ、実用化に目処がついた。また、ブライン凍結したカツオ等の魚艙間積み換え作業の省人省力化のためオーバーフロー方式を導入し、魚艙の改良等を通じて作業員を9名から4名に削減できることを実証した。 |
|
3. |
刺身向けなど市場でも高評価である大型マサバを主体に沖締め凍結製品の生産に取り組み、19.4トンを生産した。また、中型サイズやゴマサバを対象とした沖締め凍結製品を加工用原料として出荷した。 |
===============================================================================================
7 システム対応型:遠洋底びき網(北太平洋中・西部海域)
調 査 船:調査船:第五十八富丸(401トン) 調査期間:6月~9月 調査海域:北太平洋中・西部海域 |
本年度調査のねらい
-
1 我が国にとって未利用である公海サンマ資源の分布状況の把握 2 当該資源を対象とした表中層トロール漁具の適切な運用方法の開発 -
本年度調査の主な成果等
1.
北太平洋公海域で、遠洋底びき網漁船により表中層トロール操業によるサンマ調査を行い、これまで知見が不足していた公海域のサンマ資源に関する基礎的情報を収集し、公海域においては時期及び水域によって様々な魚体長・肥満度を有する群れが存在することが推測された。
2.
漁具を調整しつつ操業を行った結果、サンマは漁具からの逃避行動が顕著でなく、大型漁具では身網の大目合部から逃避すると推察された。更に、当該水域では魚群が小さくまばらであることもあり、サンマ漁獲量は合計70トン、最大CPUEは280kg/時間にとどまった。公海域のサンマを対象とした商業的操業を行うためには、オートトロールシステムによる機動性の向上、ツインリグ方式やビームトロール方式による効率的な掃海面積の向上など、漁具のみならず漁法そのものの見直しが必要と考えられる。-
1 完全単船型操業システムの効率的運用に取り組み、その有効性について調査する。 2 整反装置(沈子処理機)、フィッシュポンプによる水揚げシステム及びオーバーフロー式凍結魚シフトシステムの改善を図り、省人省力化の可能性について追求する。 3 漁獲物の付加価値向上のため、シャーベット状海水氷による生鮮魚処理技術の向上及び沖締め凍結サバの生産増加に取り組む。
-