第11回成果発表会
水産総合研究センターは、調査研究や技術開発の成果を一般の方々にも理解していただくための成果発表会を2003 年から毎年開催しています。第11回となる本年度は2013 年12月20 日に東京都中央区の東京証券会館ホールで開催しました。今回のテーマは、「ブリからはじまる-日本を代表する魚の資源と魚類養殖の新時代-」で147 人の来場がありました。
まず、飯田貴次増養殖研究所長が「出世魚ブリの魅力-大衆のための高級魚-」と題し、ブリの養殖の歴史などについて説明しました。
西海区水産研究所の有瀧真人資源生産部長は、「新しいブリの養殖技術」と題し、赤潮被害軽減の方法である、赤潮の発生前に出荷する早期ブリについて説明しました。
日本海区水産研究所資源管理部木所英昭資源管理グループ長は、「近年の気候の変化で日本の大事な資源、天然のブリはどうなっている?」と題し、気候の変化とブリの資源状態などについて説明しました。
増養殖研究所病害防除部の中易千早免疫グループ長は、「ゲノムサイエンスを利用したブリの健康維持」と題して、これまで作れなかった細菌性溶血性黄疸のワクチンが、ゲノム情報の利用により生産可能となったことを説明しました。
増養殖研究所養殖技術部の荒木和男育種グループ主幹研究員は、「丈夫でおいしく大きなブリをはぐくむ」と題して、ブリに寄生して悪影響を及ぼすハダムシが付きにくいブリの家系を作り出す育種研究などについて説明しました。
講演終了後に講演者を交えたパネルディスカッションを行いました。早く成育させる技術開発、ブリの生理生態も考慮した資源管理、魚病を簡便に診断できる技術開発、オーダーメイド育種などについて議論しました。アンケートの結果からも、ブリへの関心が高く、あまりなじみのない魚病や育種についても興味を持っていただけたようでした。
出世魚ブリの魅力-大衆のための高級魚- 飯田貴次(増養殖研究所長) 新しいブリの養殖技術 有瀧真人(西海区水産研究所資源生産部長) 近年の気候の変化で日本の大事な資源、天然のブリはどうなっている? 木所英昭(日本海区水産研究所資源管理部) ゲノムサイエンスを利用したブリの健康維持 中易千早(増養殖研究所病害防除部) 丈夫でおいしく大きなブリをはぐくむ 荒木和男(増養殖研究所養殖技術部) |
会場の様子 |
開催挨拶 松里理事長 |
飯田貴次(増養殖研究所長) |
有瀧真人(西海区水産研究所資源生産部長) |
木所英昭(日本海区水産研究所資源管理部) |
中易千早(増養殖研究所病害防除部) |
荒木和男(増養殖研究所養殖技術部) |
パネルディスカッション |